エリート弁護士は独占愛を刻み込む
ふたりがデートしているところに出くわして、その場で彼を問い詰めたら私の方が浮気相手ってわかって……。
だから彼女も私の顔は知っている。
なんか今年の春別れたのに、すごい昔のことに感じるな。
「ねえ、この指輪いい。買って!」
彼女が元彼におねだりしているが、彼の方は渋っていて、この場から離れようとする。
「違う店も見てみよう」
そりゃあ、そうよね。
ここのアクセサリーはちょっとお高いもの。
元彼は広告代理店に勤めていて割と給料はいいけど、財布の紐は固かった。
私が誕生日にくれたケーキだってコンビニのケーキだったからね。
別に愛情があればコンビニのケーキだっていいんだけど、私は本命でもなかったし……。
今思えば、どうしてあんなのと付き合ってしまったのだろう。
所詮私は田舎者だし、元彼と付き合ってた頃はすごくカッコ良く見えたのかも。
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