エリート弁護士は独占愛を刻み込む
恭吾さんはそんな彼らの視線を気にせず、柔らかな物腰で質問する。
それに、私と手を繋いでいるし、下の名前で読んで親密さをそれとなくアピールしてるよね?
そんな恭吾さんがいつも以上に頼もしく思えた。
元彼はなんだか呆気に取られた顔をしているし、本命彼女は恭吾さんを見てうっとりとした顔になっている。
初対面の人は恭吾さんを見たらそれはそれは驚く。
女性だったら誰もが彼を見て振り返るし、目が合っただけで顔が赤くなる。
それくらいハンサムで、彼は目立つ。
テレビで観る俳優さんよりもカッコよくて知的だものね。
「お邪魔してすみません」
元彼は恭吾さんを見てルックス的に負けたと思ったのか、ボーッとなって恭吾さんを見つめている本命彼女の手を引き、そそくさと私たちの前から去っていく。
その後ろ姿を見ながら恭吾さんが私に確認した。
「ひょっとしてあれが元彼?」
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