エリート弁護士は独占愛を刻み込む
あくまでも一般論であることを強調する。
「へえ、そうなんだ」
私の話に少し興味深げに彼は相槌を打った。
「おばあちゃんになら、最初にはめた指輪のデザインがいいかも。ダイヤも大きいし見栄えもするし」
「そうだね。祖母もそういう感じの指輪いつもしているな」
笑顔で頷くが、彼はここでは取り置きをお願いせず、カタログと店員の名刺を受け取った。
結局、アクセサリー売り場には一時間近くいたような気がする。
ここにそんなに時間かけてよかったのだろうか?
次に三階のバッグ売り場に行き、ひと通り見せてもらうが、特にこれという品物はなかった。
恭吾さんはバッグ売り場の店員にバッグを見せてもらった礼を言うと、私に目を向けた。
「最初に見たショールに決めた方がよさそうだな」
「私もそう思います」
彼と同じ意見で安心する。
やっぱりあのショール以上のものはない。
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