エリート弁護士は独占愛を刻み込む
「食材買ってないから、たいした料理ができない」
「大丈夫だよ。ちゃんと準備してあるから」
安心させるように微笑んだら、彼女は少し首を傾げた。
「準備?」
「いいから、葵も早く上がって」
彼女を急かして玄関を上ると、リビングに向かう。
部屋に入れば、クリスマスツリーの電飾が光っていて綺麗だった。
部屋は暖房をセットしてあったので温かい。
「やっぱりクリスマスツリーっていいですね」
ツリーを見て葵が頬を緩めたので、俺も笑顔で相槌を打った。
「ふたりで見るからいいんじゃない?じゃあ、ツリーの明かりは後で楽しむとして部屋の電気つけるよ」
そう言ってパチンとリビングのスイッチを押せば、葵が驚いた顔ではしゃいだ。
「わあ〜、こたつじゃないですか!いつの間に?」
リビングの真ん中に長方形のこたつが置いてある。
俺自身、うちで見るのは初めてだが、リビングに馴染んでいていい感じ。
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