エリート弁護士は独占愛を刻み込む

これは怒らせたかな？
流石に上司に対しては失言だった。
「あの……その……ほら、仕事とプライベートは分けたい主義なので」
必死に弁解しようとする私を見てニコリと笑い、恭吾さんは自分の席に着く。
「まあ、誰だってそうだよね。家ではゆっくりしたい気持ちはわかるよ」
あっさり同意してくれた。
ということは、怒ってないのかな？と思ったのだけれども……。
恭吾さんはスーツのポケットからスマホを取り出し、指を高速で動かして操作している。
すると、デスクに置いてあった私のスマホがブルブルと震えた。
スマホの画面を見れば、【ショコラ王子】と表示が出ていて、ふたりからスマホを隠すように急いで手に取って確認する。
それは、恭吾さんからのライン。
【今の発言、深く傷ついたよ。今夜は鍋ね。それと、家に帰ったら、夜こき使うってどういうことか教えてあげるから覚悟しておいて】
メッセージを見て震え上がる私。