エリート弁護士は独占愛を刻み込む
それを葵にこたつまで運んでもらうと、ホットプレートに油を引いて、お好み焼きのタネを流し込んだ。
「実家にいた時、週一でお好み焼き作ってたんですよ。山芋入れると生地が膨らんで美味しいですよね」
「そうだね。俺も祖母の家で何回か作ったことがあるよ。ちなみに、こたつは今日が初体験」
俺がそんなことを打ち明けたら、彼女はビックリした顔をする。
「えー、こたつ初体験なんですか?あー、でも都会にいると床暖とかあってあったかいから必要ないか。一度入るとなかなか抜け出せなくなりますよ」
葵の話にクスッと笑ってしまう。
「ヤドカリみたいだね」
「こたつから出たくないからこたつの周囲に物をおくんです。ティッシュとかリモコンとか、あと枕がわりのクッションとか。昔こたつ入りながら受験勉強してたら、そのまま寝ちゃって、学によく鉛筆でほっぺた突かれて起こされましたよ」
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