エリート弁護士は独占愛を刻み込む
「あふあふ……美味しい!」
葵はホクホク顔。
「だから、愛情こもってる」
その主張を繰り返したら、彼女はじーっと俺を見る。
「そここだわりますね」
「ちゃんと愛は伝えないと。あっ、葵、頬にソースついてる」
葵の右の頬にソースがついていて、そのことを伝えれば、彼女は聞き返した。
「え?どこ?」
素直に右の頬と教えてもよかったのだが、彼女に触れたくなって、顔を近づけてソースをペロッと舐めた。
「取れたよ」
しれっとした顔で言えば、彼女はカーッと赤くなって怒った。
「きょ……恭吾さん!」
「教えてあげるより、俺が取ってあげた方が早かったから」
「だからって……いきなり舐めなくても……もう……恭吾さんたら……人をからかって……」
葵は俯いてゴニョゴニョ言っている。
そんな彼女がかわいい。
「葵、食べないと冷めちゃうよ」
俺がそう声をかけると、彼女は「わー、食べます!」と再びもぐもぐとお好み焼きを口にする。
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