エリート弁護士は独占愛を刻み込む
「私、恭吾さんが作ったピザとかパエリア食べてみたいなあ」
不意にそんな話をするので、不思議に思った。
「誰に聞いたの?俺が料理するって」
「萌音ちゃんです」
ああ。
最近よく彼女とランチ行ったりしているから、そこで俺のことが話題になったのだろう。
「じゃあ、今度葵のために作るよ」
もう料理ができることを隠す必要はない。
葵にそう約束すれば、彼女は破顔した。
「やった!楽しみ〜。絶対に忘れないでくださいね!」
それからお好み焼きを食べ終わると、ホットプレートを片付けて、ケーキとシャンパンを用意した。
ケーキのロウソクに火をつけて、部屋の電気を消す。
「すごくロマンチック。こういうの、ずっと憧れてたんですよ。クリスマスイブはいつもひとりだったから」
ロウソクの灯りを見て、葵は目を輝かせる。
「今年からはもうひとりじゃないよ」
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