エリート弁護士は独占愛を刻み込む
「こ……恋人?」
「どうして疑問形?」
少し厳しく問い詰めると、葵はか細い声で返した。
「だってまだ付き合い出したばかりだし……」
確かに昨日身体を重ねて恋人になったわけだし、まだ実感がないのかもしれない。
だから、今日……俺からも逃げたんだ。
「まだまだ俺の愛が足りなかったかな。今夜もじっくり愛し合おうか、葵?」
悪魔のように妖艶に微笑んで見せたら、彼女は顔を引きつらせた。
「い、今のも冗談ですよね?今朝だっていっぱい……!?」
「本気だよ。まだまだ抱き足りない」
葵の顎を掴んで視線を合わせたら、彼女はゴクッと息をのみ込んだ。
「あっ、やっぱり私と恭吾さんは恋人です!もうすっごく、すっごくラブラブです!」
少しずつ俺から目線を逸らし、葵は声を張り上げ訂正する。
普段の彼女なら絶対に口にしないそのセリフ。
葵をからかうのは楽しい。
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