エリート弁護士は独占愛を刻み込む
じわじわと目が涙で潤んできて、彼の顔がぼやけた。
こんな最高に嬉しいサプライズは初めてだ。
恭吾さんの優しさに胸がジーンとなる。
頬からスーッと涙が伝うと、彼の手が伸びてきて私の涙を手で拭った。
「気に入ってくれた?」
その甘い口調に涙腺が崩壊する。
「気に入るも何も……私が一番……欲しいって……思った……指輪です」
あなたには私の心が読めるんですか?
それにどんだけ恋人に尽くすんですか?
私を甘やかし過ぎです。
恭吾さんは泣きじゃくる私をそっと抱き寄せて、耳元で囁くように言った。
「よかった。実は祖母のプレゼントを見に行くってのは口実で、真の目的は葵のプレゼントを買うためだったんだ」
道理でアクセサリー売り場に長くいた訳だ。
なにかおかしいとは思ったけど、まさか私にクリスマスプレゼントをするためだなんて、これっぽっちも考えなかったよ。
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