エリート弁護士は独占愛を刻み込む
「恭吾さん……ありがとう」
少し落ち着いてきて心から感謝の気持ちを伝えると、彼は抱擁を解いた。
「いいえ、どういたしまして」
フッと微笑する彼の手もキラリと光って「あっ!」と声を上げる。
恭吾さんも私と同じ指輪をしていたのだ。
考えてみたら、これはペアリング。
恭吾さんもしているのを目にすると、ちょっと照れ臭くなった。
『彼は私のもの』って言ってるみたい。
彼も楽しげに目を光らせて同じことを口にする。
「指輪するの初めてだけど、見る度に俺は葵のものって主張してる感じがしていいね」
結婚指輪するの邪魔くさいっていう男の人も結構いるのに、彼は違うらしい。
弟は絶対指輪つけるの嫌がるタイプだ。
それにしても……。
「私……恭吾さんへのプレゼント何も用意してないの。ごめんなさい」
昨日は彼のおばあちゃんの誕生日プレゼント買うことで頭いっぱいだったとはいえ、私のバカ〜!
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