エリート弁護士は独占愛を刻み込む
15、彼女と一緒にー恭吾side
「そういえば最近恭吾さんチョコ食べなくなりましたね」
正一さんはパソコンの電源を落とすと、俺に目を向けた。
彼の左手にはシルバーのプレーンな指輪がはめられている。
そう、彼はクリスマスイブにずっと付き合っていた恋人と入籍した。
俺と葵のペアリングのことで事務所のみんなに冷やかされると思っていたが、正一さんの結婚の方がインパクトがあったようで、あまりいじられていない。
それに俺と葵以外にペアリングをしているカップルがもう一組いる。
それは涼太と萌音ちゃん。
イブに無事に両思いになったようで、ふたりも左手に指輪をしている。
それでひとり面白くなさそうな顔をしているのが晶で、『もう私には宗一郎さんだけよ。私と今流行りのおっさんずラブしません?』と奥さんに先立たれて現在独り身の宗一郎さんに絶賛ラブコール中。
親友の俺も本気なのか冗談なのかわからない。
今日は十二月二十七日。
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