エリート弁護士は独占愛を刻み込む
ギロッと睨めば、晶はブルッと震える。
そんなやり取りをしていたらホテルに着いた。
「葵の着替えがあるから、みんなは先に会場に行っててください」
俺が葵の手を握ってそう告げれば、横にいた涼太も「俺も萌音着替えさせるから」と萌音ちゃんの手を掴む。
お互い恋人を連れてフロントで手続きをし、部屋のカードキーをもらうと、それぞれの部屋に入った。
「今着ているワンピースじゃダメですか?」
葵がコートを脱ぎ、ネイビーのワンピースを摘んで見せる。
「悪くはないけど、俺の方で用意したのがあるから着てみてよ。恋人に自分が見立てた服を一度着せて見たかったんだ」
部屋を入ってすぐの場所にハンガーラックがあって、俺はそれを指差した。
ハンガーにかかっていたのはシルクのような光沢のあるワインレッドのカクテルドレス。
「わあ〜、このドレス素敵。でも……こんなドレス着るぐらいすごいパーティなんですか?」
少し不安そうな顔をする彼女に曖昧に微笑んだ。
< 256 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop