エリート弁護士は独占愛を刻み込む
彼からのメッセージを読んですぐに返信した。
【了解】
天宮麗子……これから料理するのが楽しみだよ。
バスルームのドアが開いて葵が出てきたので、すぐにスマホをポケットにしまった。
「よく似合ってる」
彼女のドレス姿を見て頬を緩める。
それはオフショルダーのカクテルドレスで、葵の白い肌を引き立たせる。
だが、彼女は落ち着かない様子。
「オフショルダーって初めてでなんか緊張する」
「綺麗だよ。もっと堂々としてればいい」
そう元気付けたら、彼女は俺を見てハニカミながら言った。
「恭吾さんて気障なセリフ口にしても、違和感ないですよね。こっちが照れちゃう」
上目遣いに俺を見る彼女の腰に手を回し、「思ったままを言っただけだよ」と返して部屋を出る。
今日のパーティ会場の鳳凰の間に向かうと、かなりの人が集まっていた。
立食形式のパーティで、参加人数はざっと見たところ三百人程度。
出席者は祖母の友人や政治家、うちの一族で経営している黒瀬の取引先の社長、芸能人など。
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