エリート弁護士は独占愛を刻み込む

そんな祖母の話を葵は興味深げに聞いていた。
「華子さん、葵に余計なプレッシャーかけないでくださいね」
やんわりと釘を刺せば、華子さんは少し拗ねるように言った。
「だって私、早くひ孫を抱きたいのよ」
「そのセリフ百万回聞きましたよ」
少しうんざり顔で返すと、祖母もそれ以上その話題については話さず、葵に目を向けた。
「ところで、そのドレスは素敵だけど、胸元になにかあるともっといいわね。佐竹、部屋からあれを持ってきてくれない？私のお気に入りの」
「はい」
佐竹さんは返事をして俺たちの前から消えた。
彼と入れ替わるように俺の両親と兄がこちらにやってくる。
「お前来ていたのか。そちらは？」
親父が最初に俺を見て次に葵に目を向けた。
わけがわからずおどおどしている葵の手を掴んで安心させる。
「彼女は……!?」
「彼女は朝比奈葵さんといって、未来の恭吾さんのお嫁さんよ」