エリート弁護士は独占愛を刻み込む
なんか……このやり取り、新婚さんみたいだな。
結婚……かあ。
昔は当然するものかと思ったけど、今は結婚なんて出来ないって思う。
元彼には浮気されて別れたから、恋愛する気になれない。
今は恋よりもどう自分の生活を立て直すかが大事。
玄関の左手にあるリビングに入り、奥にあるキッチンに行くと、食材を冷蔵庫に入れる。
業務用のように大きな冷蔵庫だけど、私が引っ越してきた時は冷凍食品とペットボトルの水、チョコしか入っていなかった。
調味料や調理器具は揃っているのに、彼が料理をするのを見たことがない。
恭吾さんは私が来るまでは、冷凍食品とチョコしか食べていなかったんじゃないだろうか。
だから、彼は私に家事を頼んだに違いない。
棚を開けて土鍋を探していたら、玄関のインターフォンが鳴った。
あっ、きっとクリーニング屋さんだ。
昨日お願いした恭吾さんのスーツを持って来たのだろう。
< 27 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop