エリート弁護士は独占愛を刻み込む
俺の話を聞いて天宮麗子がヘナヘナと床に倒れ込む。
一方、天宮社長はポカンと口を開け、呆然としていた。
軽くお辞儀をして俺と晶と涼太の三人は天宮親子の前から去り、ウェイターからシャンパンを受け取った。
「これでやっと年を越せる。乾杯」
晶と涼太とグラスを交わせば、晶が少しつまらなそうに言った。
「もう、恭ちゃんひとりで全部話を進めるんだもの。私の出番がほとんどなかったじゃない」
「お前は、秘書室の女の子たちのケアしてればいいだろ?」
涼太は晶を邪険に扱い、晶はそんな涼太を挑発した。
「あらあ、ひとりに決めなければ、いろんな子の相手ができるわよ」
今回、晶は丸岩の秘書室の女の子たちを誘惑し、告訴するように仕向けたのだ。
「喧嘩してる場合じゃないよ。年が明ければ忙しくなる。裁判には絶対勝つよ」
ふたりを注意し、フッと不敵の笑みを浮かべてシャンパンを口にしたら、葵が祖母たちと戻ってきた。
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