エリート弁護士は独占愛を刻み込む
「家に女を呼びたいとは思わないな。家で寛げない」
「あのう、私も女ですけど」
そう突っ込むと、彼は私の頭をポンと叩いてからかった。
「葵は猫みたいなものだよ。だからうちで保護してる」
「ペットじゃないですよ!」
プウッとむくれて恭吾さんの胸をドンと叩いたが、彼の返答に自分でも納得してしまった。
そもそも私を異性と思っていたら、この同居は成立しない。
恭吾さんが女と思っていないから私に手を出さない訳だし、私も彼を男として見ていないから変に意識しないでいられる。
元彼といた時はもっと可愛くしなきゃって気を張っていたけど、恭吾さんならすっぴん見られても全然平気。
なんせ、出会った日にマスカラが落ちて目の周りがパンダみたいになってる酷い顔を見られたのだ。
しかも、その化粧を恭吾さんが落としてくれたんだよね。
私、その時メンタルダウンしていたから。
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