エリート弁護士は独占愛を刻み込む
「俺も着替えてくるけど、葵も着替えたら?」
ジーッと恭吾さんのネクタイを見てそんなことを考えていたら、彼にポンと頭を叩かれてハッとした。
「あっ、そうだった」
まだ着替えてもいなかったよ。
自分の寝室に行こうとしたら、インターホンが鳴った。
「今度こそクリーニング屋さん!」
大きく声をあげれば、彼が私を見てクスッと笑う。
「いいよ。俺がクリーニング受け取るから」
「じゃあ、お願いしますね!」
クリーニングは彼に任せて、寝室でモコモコ素材のトレーナーとショートパンツに着替え、次に洗面所でメイクを落とし、コンタクトレンズを外してメガネをかける。
「あ〜、これでやっと楽になった」
鏡を見てにっこり微笑む。
それからキッチンに戻って豆腐や春菊、白菜、椎茸を切って鍋の食材の準備をする。
土鍋に出し汁を入れていたら、恭吾さんがライトグレーのルームウェアに着替えて戻って来た。
< 32 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop