エリート弁護士は独占愛を刻み込む
ブランデーを飲みながら、私の横でチョコをパクッと頬張る彼。
これで五個目。合計二千五百円也。
値段も気になるけど、吹き出物出来るとか思わないのかな?
いや、あんだけチョコ食べても恭吾さんの顔にぶつぶつはない。
むしろ、毛穴もなく綺麗な肌をしている。
なんて羨ましい。
じっと見ていたら私の視線を感じたのか、彼は気前よく言った。
「葵もチョコ食べたかったら、遠慮せず食べていいんだよ」
「私はいいです。夜にチョコ食べるとすぐ顔に吹き出物出来るので。それにしても恭吾さん、明日裁判なのに余裕ですね。勝つ自信あるんですか?」
彼を見ていると緊張感が全くない。
「チョコ食べながらいろいろ考えてるんだよ。勝つためにね」
「……私にはまったりしてるようにしか見えませんけど。まだ正一さん事務所にいるんじゃないですか?」
「いや、今日は帰らせたよ。彼、連日残業で疲れてるからね。あとは俺が明日法廷でどんな風に料理するか決めるだけ」
< 37 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop