エリート弁護士は独占愛を刻み込む
気を取り直して尋ねると、彼はニヤリとする。
「忘れた?事務所で夜こき使うってどういうことか教えてあげるってラインしたよね?」
「あっ、すっかり忘れてたあ」
襲われるって思った自分が恥ずかしい。
でも、本当焦ったよ。
「背中の肩甲骨あたりからお願い」
目を閉じて指示を出す彼にいつもの調子が戻ってきて冷たく断る。
「やると言った覚えはありませんよ。そういうのは、プロのマッサージ師に頼めばいいじゃないですか!」
「あ〜、やっぱり葵のご両親に電話しようか……!?」
「やります!やらせて頂きます!」
この悪魔!
心の中で毒づきながらマッサージを始める。
「葵、もうちょっと力入れて」
恭吾さんに言われ、「はいはい。わかりました」と体重をかけて力一杯彼の背中を押していく。
「うん、気持ちいいよ、葵」
それはよろしゅうございました。
ホント、いいご身分ですね。
< 42 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop