エリート弁護士は独占愛を刻み込む
『ボーッとしていた君が悪い』
ハハッと笑ってバスルームを出ると、寝室に行って自分の部屋着を取りに行き、バスタオルと一緒に脱衣所の洗濯カゴに入れる。
『着替え置いといた。男物でよければ下着も貸すけど』
そんな軽口を叩けば、『下着はいりません!』と扉の向こうから全力で否定する声がした。
『遠慮しなくていいのに』
フッと笑って呟くと、寝室で部屋着に着替えてリビングに戻る。
いつものようにソファに座ってブランデーを飲みながらチョコを口にしていたら、お風呂から上がった葵がドタドタと音を立ててもの凄い剣幕でリビングにやって来た。
『もう!洋服濡れちゃったじゃないですか!』
俺が貸した部屋着は彼女にはぶかぶかで、裾を何回も折っているが、その姿がかわいく思える。
『部屋着意外と似合ってるね』
葵の抗議をスルーしてニコリと微笑めば、彼女はキッと俺を睨みつけた。
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