エリート弁護士は独占愛を刻み込む

4、ボスは無敵

ピピッ、ピピッ、ピピッと聞き覚えのない目覚まし時計の音がする。
いつもと違う……。
違和感をなんとなく覚えながら、目を閉じたまま手探りで目覚ましを探す。すると、なにか温かい物体にぶつかった。
ん？
なにか変だと思って目を開ければ、隣に恭吾さんがいて目ん玉が飛び出そうなくらい驚いた。
え？ええ〜？
どうして彼が横に〜？
恭吾さんは手を伸ばしてベッド棚に置いてある黒の目覚まし時計を止めると、私に目を向けて爽やかに微笑む。
「葵、おはよう」
「……おはようございます」
条件反射で挨拶を返すも頭の中は混乱していた。
ここは私の寝室じゃない。
恭吾さんの寝室。
私……どうしてここで寝てるの!?
恭吾さんがベッドを出てカーテンを開けるが、彼が下着しか穿いてなくてギョッとした。
「な、なんでパンツしか穿いてないんですか？」
激しく動揺しながら声を上げるも、ある事実に気づいて青ざめる。