エリート弁護士は独占愛を刻み込む

そう言って今度はカクテルのコースターで遊び出した葵。
晶は葵の回答に眉根を寄せた。
「じゃあ、なんで赤坂に住めるの？普通のOLが赤坂になんか住まないわよ」
晶に突っこまれるが、葵はヘラヘラしながら説明する。
「それはれすねえ、恭吾さんのお家に居候してる……ひっく……かられすよ。もう恭吾さん、家でもチョコばっか食べてるんれすよ〜。家事も苦手みたいで全然しないし困ったお子ちゃまれす！」
葵はここぞとばかりに俺のことを愚痴り、バーの店員が持ってきたカクテルを口にする。
あーあ、同居のことをバラしちゃっていいのかな、葵？
晶と涼太は彼女の話に驚いて、俺の顔をじっと見た。
「ちょっとどういうことよ、恭ちゃん！」
「彼女と一緒に住んでるって本当なのか、恭吾？」
ふたりに問われ、彼らの目を見てにこやかに答えた。
「ああ。葵と一緒に住んでるよ」
内緒にしておきたいのは葵であって、俺は隠すつもりはない。
チラリと葵に目をやれば、その目はトロンとしている。