エリート弁護士は独占愛を刻み込む
「恭吾さんは、夜も私をこき使うんですよ〜。もう身体がもたな……い」
俺への文句を口にして葵はテーブルに突っ伏す。
そして、すぐに彼女から寝息が聞こえてきた。
やっぱり飲み過ぎだ。
葵の肩に彼女のコートをかけたら、涼太と晶から強い視線を感じた。
どうやら葵の発言を誤解したらしい。
「お前、恋人だからってやっていいことと悪いことがあるぞ」
涼太が厳しい目で俺を責めるが、穏やかに返した。
「変な誤解するなよ。彼女は恋人じゃないし、キスもしていない。うちにタダで住む代わりに、家事を頼んでいるだけだ」
そんな俺の発言が信じられないのか、晶はスーッと目を細めた。
「恭ちゃん、あんた、いつからそんな善人になったのよ。なにか魂胆があるんじゃないの?家事だって完璧に出来るでしょう?アメリカにだって留学してたんだから」
そう、俺は料理も掃除もどちらかといえば得意だ。
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