エリート弁護士は独占愛を刻み込む
俺が涼太にそう説明すると、晶が葵の頭を軽く撫でながら俺に質問してきた。
「葵ちゃん、どうして会社を辞めさせられたの?明るくて仕事も出来るいい子じゃない。会社だって業績不振だって訳じゃないし」
「理由は聞いてない。いつか葵から話してくれるのを待っているんだ」
俺の話を聞いて晶は納得顔で相槌を打つ。
「なるほどね。うちに来た時の彼女、生気がなかった。本人から聞き出せる雰囲気じゃない……か。私がちょっと調べてあげるわ。恭ちゃんが動くと葵ちゃんにバレるかもしれないから」
「晶にしてはやけに気前がいいじゃないか」
クスッと笑うと、晶は穏やかな目で返した。
「こんないい子なんだもの。気になるのよ」
「お前が何の見返り求めずに動くかねえ?」
涼太が突っ込めば、晶はニヤリとして俺を見た。
「ふふ。クリスマスに『SR』の新作バッグで手を打つわよ」
「自分の彼氏に買ってもらえば?」
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