エリート弁護士は独占愛を刻み込む
ホント、警戒心の欠片もない。
「葵、水持ってきたよ」
彼女の名前を呼ぶが、小さな寝息が聞こえてきて苦笑いした。
「せっかく持ってきたのに寝るなよ」
じっと彼女の寝顔を見て文句を言う。
このお嬢さん、どうしてくれようか?
普通の男なら抱いてくれと勘違いするだろうな。
ある意味小悪魔。
欲情しないと言えば嘘になる。
最近、仕事ばかりしてて女とは遊んでいなかったせいだろうか?
「今朝、警告したつもりなのにな」
用心しない葵が悪い。
そう呟いて彼女に顔を近づけて唇を重ねた。
柔らかくて、甘いーー。
微かにシャンパンの味がする。
もっと彼女に触れたくなってキスを深めたら、葵が「う……ん」と寝返りを打ってハッと我に返った。
眠ってる彼女にキスするなんて、なにをやってるんだか。
だが、なぜかその時俺が彼女に触れた証拠を残したくなった。
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