エリート弁護士は独占愛を刻み込む
6、弟からの電話
『葵、もっと警戒心持ったら?』
恭吾さんが私の顎を掴むが、その目はキラリとどこか不気味な光を放った。
『ちゃんと持ってますよ』
不穏な空気を感じて後ずさろうとしても、彼の瞳に捕縛され逃げられない。
『持ってないから俺は怒ってるんだよ』
恭吾さんが悪魔のように妖艶に微笑んで私にキスをする。
「き、恭吾さん〜!」
彼を止めようとして叫んだ自分の声でパッと目が覚めた。
「夢……か。あ〜、ビックリした」
ベッドから起き上がるが、また下着姿で寝ていてギョッとした。
「なんでまた下着だけ?」
でも、今日はちゃんと自分の寝室にいるし、恭吾さんの姿はない。
私が昨日着ていた服が腕時計と一緒に綺麗に畳まれてサイドテーブルに置かれている。
はて……?
自分で畳んだ記憶がないんですけど。
しかも、コンタクトをしたまま寝たようで目が辛い。
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