エリート弁護士は独占愛を刻み込む
あー、でも直接つけられたところを見た訳じゃないし、確証がない。
思い込みで彼を犯人と決めつけるのはよくないよ……ね。
今朝あんな夢見ちゃったからキスマークに思えるのかも。
寝てる時に壁に腕をぶつけて痣が出来たのかもしれない……って、今何時?
あー、腕時計を見れば八時三十二分。
「わ〜、遅刻しちゃう〜!」
昨日と同じパターンだよ。
走ってダイニングルームに行くと、恭吾さんが優雅にコーヒーを飲みながらニュース番組を観ていた。
「葵、今日メガネなんだ?俺はもう食べたからいいよ。葵の分もクロワッサン焼いておいたから食べたら?」
「ごめんなさい。頂きます」
恭吾さんに平謝りして席に着き、クロワッサンになにもつけずにかぶりつく。
朝食のパンといえば食パンだけど、クロワッサンも香ばしくて美味しい。
きっと恭吾さん、冷凍のやつをオーブンで焼いたんだろうな。
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