エリート弁護士は独占愛を刻み込む
五分足らずで食べてお皿をシンクに運ぼうとしたら、恭吾さんの手が私の口元に伸びてきてドキッとした。
「葵、パン屑ついてた」
ニコッと微笑んで掴んだパン屑のついた指をペロリと舐める彼。
なんだかエロイ。
……これではまるで恋人ではないか。
そう考えたら、顔の熱が急上昇して彼の顔を直視出来なくなった。
「ち、遅刻するから先に行きます!」
恭吾さんから逃げるようにダイニングルームを出て自分の寝室に行き、コートを羽織るとバッグを持ってマンションを出た。
もう昨日から私失態ばかりじゃないの。
ひとり顔を赤くしながら事務所に行くと、萌音ちゃんが私を見て明るく挨拶した。
「葵さん、おはようございます!今日はメガネなんですね。なんか出来る女って感じでカッコイイ」
彼女は褒めてくれたけど、私は苦笑いした。
「昨日お酒飲み過ぎちゃって、コンタクトしたまま化粧も落とさずに寝ちゃったの。もうボロボロよ」
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