エリート弁護士は独占愛を刻み込む
自己嫌悪に陥らずにはいられない。
次飲みに行く時は一杯だけにしよう。
「おはよう」
涼太さんがやって来て私も萌音ちゃんも「おはようございます」と挨拶を返すが、彼はじっと私を見る。
「君……誰?」
あっ、メガネだし、化粧もしてないからわからないのか。
「葵ですよ、涼太さん」
ニコッと笑顔を作れば、彼は少し相好を崩した。
「ああ。メガネだからわからなかった。昨日はすごく飲んでたな。恭吾だって男なんだから気を許して酔い潰れるのは危険だぞ」
「はは。すみません。皆さん弁護士だし、安心しきちゃって」
涼太さんに謝るが、なぜ恭吾さんの名前だけ出てきたのか疑問に思った。
晶さんだっていたのにな。
「私も焼き肉行きたかったなあ。友達との忘年会がなければ参加出来たのに」
横にいた萌音ちゃんが私と涼太さんを見て羨ましそうに言う。
「うちの忘年会もそのうちあるだろ?」
< 92 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop