エリート弁護士は独占愛を刻み込む

「そうですね。ふぐ料理だし、楽しみ」
「お前も前みたいに酔い潰れるなよ。後が大変だ」
涼太さんが萌音ちゃんを見る目が優しい。
「はーい」
萌音ちゃんも涼太さんを見てほんのり頰をピンクに染めている。
なんだかふたりだけの世界。
ひょっとしてこのふたり両思い？
だとしたらお似合いかも。
邪魔しては悪いと思い、この場を去ってエレベーターに乗ろうとしたら、晶さんがやって来た。
「あら葵ちゃん、今日はメガネね。それに今日もスッピン」
「わー、晶さん突っ込まないでくださーい。自分でも昨日は飲み過ぎたって反省しているんです。化粧落とさずに寝ちゃって肌はガサガサだし、もう最悪です」
両手で顔を隠せば、彼がフフッと笑った。
「葵ちゃん、どんなに眠くても化粧は落とさないとね。恭ちゃんも、気を利かせてメイクぐらい落としてあげればよかったのに」
またここでも恭吾さん。