エリート弁護士は独占愛を刻み込む
「どうして恭吾さんが私のメイクを落とすんですか?」
「だって恭ちゃんと一緒に住んでるでしょう?」
え?
なんで知ってるの?
晶さんの発言に青ざめる私。
「……恭吾さんが話したんですか?」
晶さんに確認するも、彼は否定した。
「いいえ、葵ちゃんが昨日バーで言ってたわよ」
ガーン!
まさか自分からバラすなんて……私は馬鹿なの?
あー、恭吾さん疑ってごめんなさい!
「あの……それはですね……行くとこがなくて、恭吾さんのところにご厄介になってる訳で」
酷く動揺しながら言い訳する私に晶さんは忠告する。
「恭ちゃんがそんなこと言ってたわよね。でもね、葵ちゃん、恭ちゃんは昼間は紳士に見えて、夜は獣に変身するのよ。気をつけないと……うっ、痛い!」
「誰が獣だって?」
恭吾さんの声がして後ろを振り返れば、彼が晶さんの頭を両手でグリグリしていた。
恭吾さんの目が怖い。
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