エリート弁護士は独占愛を刻み込む
「ちょっと恭ちゃん、レディーになんてことするのよ!」
「お前がレディーだったらこの世の終わりだよ」
辛辣な恭吾さんの言葉に固まる晶さん。
そんな晶さんを放置して恭吾さんは私に目を向け、コートのポケットから何か取り出した。
「葵、スマホ忘れていったよ」
一瞬晶さんがいて焦ったけど、もう同居のことはバレてるし今更隠すだけ無駄だ。
「あ、ありがとうございます」
恭吾さんからスマホを受け取りバッグに入れると、エレベーターがきて彼と乗り込んだ。
だが、晶さんは乗ってこない。
多分恭吾さんの発言がショックだったのだろう。
そのままエレベーターの扉が閉まるが、密室に恭吾さんとふたりだけになり、息苦しさを感じた。
それに、手首のキスマーク疑惑もあって、なんだか彼を意識してしまう。
あー、早く五階に着いて。
階数表示をじっと見ていたら、恭吾さんの視線を感じた。
「葵」
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