歌舞伎町ボーイズ
 午前11時1分。


 洗面を済ませて、外出着に着替え、スマホを持つ。


 そして部屋の鍵を持ち、外へと出た。


 ユキの自宅マンションへと向かう。


 電話してないけど、起きているだろう。


 歩きながら、街を見続けた。


 昼の新宿は、オフィス街の方が断然過熱していて、繁華街にはあまり人間がいない。


 俺もスマホの電話帳から、実家の番号などはとうに削除している。


 絶縁しているからだ。


 高校退学と同時に飛び出してから、一度も帰ってない。


 別にいいのである。


 オヤジなどとも、よりを戻すことはないのだし……。


 ある意味、思う。
 
< 100 / 273 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop