歌舞伎町ボーイズ
 過去は変えられないのだが、未来はどうとでも出来るのだ。


「ケン、ご飯出来たわよ」


「ああ、今行く」


 小さなテーブルには、二人分の料理が並んでいた。


 彼女との未来を思う。


 子供でも生まれて。


 満更ではない気がした。


 クラープで働いていて、女性を誑かし、欲望を売り付けるような商売をしていても……。


 別にいいのだ。


 生計を立てるのと、人生の目標は違うのだから……。


 午後4時49分。


 揃って食事し始めた。


 普段ある、嫌なことも忘れて……。

 




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