歌舞伎町ボーイズ
「ケン、今何時?」


「午後7時過ぎだよ」


「そう……」


 気怠いようで、言葉尻が濁った。


 街が暗くなり、夜の帳が下りてくる。


 彼女がテーブルの上に置いてある天井灯のリモコンを手に取り、ボタンを押して、部屋の明かりを点けた。


 そして軽く息をつく。


 まだ、アイスコーヒーはカップに残っていた。


 一口飲み、意識を覚醒させる。


 夜が始まる。


 いつものように……。

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