歌舞伎町ボーイズ
 実際、裏では闇社会と繋がっているのだし……。


 正攻法では分からないのである。


 歓楽街の実態は。


 午後9時26分。


「ケン、お水飲む?」


「ああ。コーヒーだと、眠れなくなるしな」


「じゃあ、ボトルで買ってたミネラルウオーターあるから、持ってきてあげる」


 ユキがそう言って立ち上がり、キッチンへと行く。


 彼女の髪からは、シャンプーの残り香が漂ってきた。


 俺はパソコンの画面にじっと見入る。


 幾分、疲れを感じながらも……。
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