歌舞伎町ボーイズ
第34章
     34
 2019年11月3日午後11時1分。


 二人で同じベッドに眠る。


 いつもは店にいて、中年女性客ばかり相手しているので、神経はだいぶ磨り減っていた。


 いろいろある。


 歌舞伎町のホストという仕事も。


 幾分、薄汚れてはいるのだが……。


 でも、俺自身、20代でこの世界に入って、派手なことに慣れてしまった。


 大抵、ホストに大枚を貢ぎ続ける女はバカである。


 どこの繁華街や歓楽街だろうが、そういったホストがいて、客も付いているのだ。


 別に俺自身、特に人生経験が豊富というわけでもない。


 ただ、昔、地獄絵図のような光景を散々見てきたせいか、阿婆擦れしたところはある。


 普通の30代男性とは、明らかに違う点があった。

 
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