歌舞伎町ボーイズ
 こんな景色は、俺の自宅からも見える。


 ホストとして働いているうちに、いつしか、大事な物を見失った自分がいる。


 いつからか?


 こんな気持ちに打ちひしがれるようになったのは……。


 金は稼いでいても、確かに何かを失った。


 まあ、人間など、そんなのか?


 日常生活を送りながらも、そう割り切るようになったのだ。


 これがいいことじゃないのは、分かっていても……。


 部屋に目を転じると、相変わらず真っ暗で、ユキは寝ている。


 疲れているのだろう。


 寝顔はしばらく覚めることがない。


 軽く一つ息をつき、また水の入ったボトルを手に取る。


 これからも、こんな乾いた生活が続くのか?

 
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