歌舞伎町ボーイズ
第37章
     37
 2019年11月4日午前3時2分。


 眠れないまま、真夜中の時間を過ごす。


 スマホは充電するまでは、使わないでおこうと思った。


 仕方ないので、部屋の中で闇にじっと目を凝らす。


 いろんなことが思い浮かぶ。


 考えてみれば、今までの人生は泡沫だった。


 悪いことも散々したし、ある意味、懲りている側面もある。


 ただ、俺自身、歯を食いしばって生きてきたつもりだ。


 たとえ不器用で、何も得るものがなかったとしても……。


 歌舞伎町を生活基盤において、やっているから、難しい事情も感じる。


 ここの人間は、水に例えるなら、澱んでいるそれである。


 濁っていて、まるで使えない。

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