歌舞伎町ボーイズ
「ユキ、料理上手だね?」


「そんなことないわよ。単にご飯炊いて、味噌汁とおかず作っただけ」


「それがいいんだよ。俺も普段、家庭料理なんか食べないから、美味いな」


「お腹空いてたからじゃない?」


「それもあるかも?」


 思わず頷く。


 部屋の中は静かだった。


 外は騒音で騒がしい。


 この街はノイズに溢れ返っている。


 嫌な類のそれだ。


 落ち着く場所が欲しい、と常日頃から感じる。


 歌舞伎町など、無法地帯なのだから……。


 ご飯を掻き込みながら、味噌汁を啜る。
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