歌舞伎町ボーイズ
「何?」


「お腹空いてる?」


「さっき食べたばっかだからいいよ」


 俺もある意味、食欲は異常なぐらいだった。


 詰め込む時は徹底して食べる。


 別に食べたくない時は、何も口にしない。


「コウジは今頃店で接客してるよ」


 そう言うと、ユキが、


「コウジも誘えばよかったのに」


 と返す。


「いや。このマンションは俺たちだけの場所だから、アイツがいたら、面倒なことになる」


「そう?そうでもないと思うけど……」


 彼女はスマホを手に取って、見ながら言う。
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