歌舞伎町ボーイズ
 だが、半グレ仲間など、普通は相手しない。


 上から何を命令されるか、分からないからだ。


 俺もコウジも歌舞伎町の住人として、この街で遊んで暮らすつもりでいる。


 一度、ここに虜になれば、抜け出れないのだし……。


 ユキがカクテルを飲みながら、スマホを見ていた。


 ラインをやっている。


 洗った黒髪をピンで束ねて、アップにしていた。


 シャンプーの残り香が漏れ出ている。


 嗅ぐと、いい香りだ。


 互いに何も言わなくても、時間は過ぎていく。


 戻らずに。


 日付が変わる前に、軽く眠った。


 普段は起きている時間なのだが……。
< 43 / 273 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop