歌舞伎町ボーイズ
 母親の法事など、一度たりとも参加しなかった。


 当然だろう。


 二度と顔を見たくないという人を、弔ってやる必要はない。


 2019年11月1日午後零時25分。


 目が覚めて、起き出す。


 アイスコーヒーを一杯淹れて飲みながら、スマホを見た。


 ニュースをチェックした後、ラインを読む。


 コウジは俺のグループに入っていた。


 互いに最近はSNSでやり取りする。


 確か、コウジも実家を出る時、父親に対して殴る蹴るの暴力を振るい、重傷を負わせていた。
 

 未成年だったから、罪に問われなかっただけで。


 俺たちにとって、学校や家庭など、一つたりともいい思い出はないのだ。
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