歌舞伎町ボーイズ
 自分から捨て去ってしまったのだし……。


 コウジもすでに起きているようで、ラインをグループ内に投稿していた。


 歌舞伎町で遊ぼう、と書いてある。


 他店の一部のホストにも、メッセージが流出していた。


 別に俺自身お構いなしに、コウジに対して、了解の返事を出す。


 そしてコーヒーを飲み終え、着替えてから、部屋を出る。


 日常では通販などでモノを買っていたのだし、家賃や光熱費などは全て口座引き落としだ。


 歌舞伎町に出ると、目抜き通りにコウジがいた。


「おう」


「ああ、ケン。……昨夜はユキのマンションにいたんだろ?」


「まあな」


「やることやってんじゃん。羨ましいよな」
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