歌舞伎町ボーイズ
 午前4時の閉店時間まで、面倒なことがないのを祈る。


 ようやく東京の夜が明ける頃、新宿の街はカラスが飛ぶ。


 ゆっくりとナイトタイムが終わっていく。


 クラープから酔客が吐き出され、午前3時45分を回ると、ジュンが、


「少し早いけど、片付け始めてくれ」


 と言ってきた。


 俺もスマホをスーツのポケットに仕舞い込み、作業する。


 コウジが、


「ケン、ユキとは連絡取った?」


 と訊いてきたので、


「いや、まだだけど」


 と返す。


 コウジも、ユキとは昔から友達だから、彼女のことが心配になるのだろう。
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