歌舞伎町ボーイズ
 やがて、ウエイトレスにより、テーブルに食事が運ばれてきた。


 腹ごしらえして、夕方から仕事だ。


 今の職業は、決して楽じゃない。


 だが、職能のない俺にはホストしかやれないのだ。


 食べながら、スマホを見る。


 ネット上にはいろんな情報が挙がっていた。


 もちろん、災害関係のニュースなども。


 首都圏に爪痕を残した台風で、俺の自宅マンションも一階の住人が浸水していた。


 他人事じゃいられない。


 コウジが、


「ケン、飯食い終わったらどこ行く?」


 と訊いてきたので、


「ああ、適当に暇潰そう」
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