指輪の魔法がとけた時
だって田仲はうちのエースで、眼鏡がよく似合うクールなイケメンだ。

それこそ、他の課の女の子たちからモテモテだ。

私はもしかしたら、亮二がアメリカへ行った三年間、後生大事に指輪をながめ、とんでもなくもったいなくもムダな月日を過ごしていたのかもしれない。

「長谷川、お前さ自己評価低すぎなんだよ。
自分が思ってるより可愛くて社内のヤローどもに人気あるんだよ。

ったく、あっさり課長に落ちやがってムカつくな」

思いがけない田仲の告白にみるみる私の顔は赤くなる。
< 31 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop