指輪の魔法がとけた時
「おい、だから口説くなっていってんだろ?
ようやく俺も手にいれたんだから」

いつのまにか私のデスクに来ていた慎は、

「俺たちは付き合ってる。
結婚もそう遠くはないはずだ。
田仲みたいな奴に邪魔されなきゃな。
質問があるなら俺がいま答えるからあすかじゃなく今俺に聞くといい」

みんなの前でふいに呼ばれた名前に私はますます真っ赤になる。

すっかり慎のペースにのせられて、瞬く間に私たちがもうじき結婚するという話が会社中にしれわたった。
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